Monday, March 13, 2006

イギリス陶芸事情⑦

マイケル・ポスナーさんの工房を訪ねて

マイケル・ポスナーさんは、2004年秋に2ヶ月間、信楽窯業技術試験場で、油滴天目釉の研究をしていた。当時臨時雇用で、試験場で働いていた私は、共通の友人(ロンドンのギャラリーのオーナー)の紹介もあり、また平和堂ショッピング仲間として、マイケルさんと親しくさせてもらった。

あれからちょうど1年。今度はロンドンで再会することになった。

マイケルさんは、ロンドンの北の方に、ダートマスパークポテリーという工房を持っている。地下鉄ノーザンラインに乗り、Archwayで降りる。約10分ぐらいで、閑静な住宅街の中に、突然ギャラリーが現れた。



久しぶりに会うマイケルさんは、とても元気そうだ。
ミルクティーをいただきながら、これまでの近況をいろいろ話し合う。


そういえば、前は信楽に住んでいて、今度はアメリカ・ノースキャロライナに引っ越して、今はロンドンに長期滞在中なんだなあと思うと、この1年の激動ぶりがしみじみと思い起こされる。

さて、マイケルさんの作品は、何と言っても、天目釉。
そして「昨日窯出ししたばかりなんだよ」、と見せてくれたのは、油滴の浮かび上がった、抹茶碗だった。たった一つの抹茶碗。それが、とても苦労してやっとできたものだ、と言うマイケルさんは、本当にうれしそうだ。

自分で納得のいく油滴天目茶碗ができたら、信楽に行って、信楽窯業試験場の先生方に成果を見せたいのだそうだ。

工房訪問の後、マイケルさんの自宅で、奥さんのラスさんと一緒に、夕飯をいただいた。 二人とも日本が大好きで、しかもよくご存知だ。日本人の自分の方が日本に関する知識が浅いのではないか、と思うこともしばしば。

有朋自遠方来、不亦楽乎。

世界のどこであっても、やきものを通じて人やものと出会い、こうしてつながりが広がっていくことは、やきものが本来持つ世界観なのかもしれない。

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