Thursday, April 12, 2007

ムーンシャインとジャグタウン

ムーンシャイン(Moon Shine)とは、この辺では自家製ウィスキーのことを指す。インターネットによると、アメリカで18世紀末に密造酒を指すようになった俗語。当時の政府は、財政充実のためウイスキーに重い税金を課すことになった。農民たちはこっそり隠れて月光のもとで酒を蒸溜したたため、密造酒を「月光」と洒落て呼ぶようになったらしい。
現在シーグローブは陶器の町として名が知れているが、もともとはシーグローブ東部にある「ジャグタウン: Jug Town (壷の町)」という集落が陶器づくりの発祥で、今でも古い窯元が生活陶器を作っている。

またジャグタウンは固有の地名ではなくて、アメリカ各地に多数あったが、現在残っているのは少なく、しかも陶器を作り続けているのはここだけだと思われる。ジャグタウン辺りでは昔からムーンシャインが作られ、それを壷に詰めて販売していた。特に禁酒法時代には、たくさん売れたそうだ。違法だけど。

お酒を詰めるためのジャグは、シンプルなものから人面の装飾が施されたものまでさまざま。人面壷はとても怖い顔をしているが、これは子供がいたずらで触らないように、怖い顔をしているんじゃないかなあ。

今は、自分で消費する自家製のお酒に関しては、販売目的で無い限り、ある程度の量の酒造りは認められているようで、友人の中にも、自家製ビールやワインを作っている人がいる。

以前リンゴのムーンシャインを一口飲んだことがあるが、クラクラするぐらいキツいウィスキーだったけど、リンゴの香りと甘い味がして美味しかった。この辺には桃の農園が多いので、桃のムーンシャインもあるそうだ。もちろん市場に出ることはないから、味わえるチャンスなどなかなか無い。

地酒と酒器、お茶と茶器。陶器はいつも、大切なものを入れるために存在し続けてきた。

Burlon Craig, 1978, courtesy of NCPC